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栃木県・東武今市飛行場(計画) [├場所]

  2016年7月 訪問 

無題1.png
1963年11月当時の写真(KT633YZ C1 12) (「同意する」をクリック→戻る→再度■をクリック。) 
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成)


 

1960年代、東武鉄道が栃木県日光市に計画していた「東武今市飛行場」。

日光と東京、地方都市間の旅客輸送、遊覧飛行が計画され、当時の運輸省から正式に許可をとり、

実際に施設の一部完成まで進んでいたのですが、その後の進展はありませんでした。

現在のところネットでは情報皆無の文字通り「幻の飛行場」なのですが、

「東武鉄道百年史」に当飛行場についての計画の経緯が記されていました。

以下引用させて頂きます。

[第3節]大量輸送時代の到来 航空事業に進出

 昭和36年(1961)4月15日、当社は、海洋航空(資本金1000万円、熊谷組全株所有)と業務提携し、ヘリコプターによる航空事業に参入することとなった。同年4月18日、同社を東日本航空(現東武計画)と改称して、4月29日より、鬼怒川ゴルフ場を基地として、鬼怒川、日光上空の遊覧飛行の営業を開始した。私鉄各社(西鉄、名鉄、西武、東急、京成など)は、ヘリコプターによる輸送事業に注目して、こぞってヘリコプターを購入、航空事業に進出しはじめていた。当時、ヘリコプターはベル、バートル、シコルスキーなど性能の優れた機種が製作されるようになり、ヘリコプターの特性からくる利用価値が認識され、既存の航空会社はもちろん、タクシー会社、観光会社までもが、ヘリコプターを利用したエアタクシー、遊覧飛行などのビジネスを手掛けはじめていた。当社も、沿線地域には国際観光地日光をはじめ多くの観光地、温泉、保養地を有しており、広大な沿線には都市群や産業地帯を控えているので、ヘリコプター(ベル47G-2型)2機を購入、さらに、37年には今市市瀬尾の大谷川河川敷に飛行場も建設(37年3月8日運輸大臣から正式許可)、本格的な営業活動に入った。東武今市飛行場には、長さ1020m、幅60mの着陸帯、長さ890m、幅25mの滑走路、長さ107.5m、幅15mの誘導路、長さ140m、幅40mのエプロンなどが計画され、誘導路の一部完成を受けて37年4月10日からヘリポートとして利用された。ヘリコプターによる輸送事業は、双発または単発固定翼機による東京~日光、あるいは日光~地方都市間の旅客輸送、山岳地帯の遊覧飛行などを中心に計画されたが、あまり進展せず、東日本航空はその後、航空測量部門を拡充して現在に至っている。

 

890mx25mですから、調布飛行場と同程度の規模の滑走路を計画していましたが、

結局ヘリの運用に留まったようです。

滑走路をドコに建設しようとしていたのかについて、記事の中には「今市市(現・日光市)瀬尾の大谷川河川敷」とあり、

加えて「誘導路の一部完成を受けて37年4月10日からヘリポートとして利用」とあります。

当時の航空写真で瀬尾の河川敷を見てみると、確かにヘリポートらしきものが映っています。

ということで、この辺りに資料通り、890mx25mの線を引いたのが、上のグーグルマップです。

(実際に建設されたとしたら、こんな感じかなあ)という程度のものですので、ご了承くださいませ。

 

東武鉄道沿線住民のオイラといたしましては、東武鉄道が飛行場を所有し、

東武カラー(になるのか?)のヒコーキが飛び交うところを是非見てみたかったのですが。。。

この航空事業を担っていた「東武計画」ですが、2010年に測量、計測の国内最大手「パスコ」が買収し、

翌年「東日本総合計画株式会社」に社名変更し、現在に至っています。

東武鉄道の公式サイトを拝見したのですが、沿革、業務組織図に航空測量、遊覧飛行等についての記述がなく、

現在のところこちら方面は完全に手を引いているようです。

 

沿革にもまとめましたが、東武鉄道が航空事業に参入すべく業務提携したのが、「海洋航空」という会社でした。

この会社は1953年に設立しており、1961年に東武と提携したのですが、それに先立つ1959年に

「海洋航空」の漁業協力飛行部門が独立し、「水産航空株式会社」が設立しており、

この会社は現在も社名を変えず、調布飛行場内に本社を構え、創業以来無事故運航を継続中なのだそうです。

この「水産航空株式会社」公式サイト内の沿革によりますと、

同社は小岩井農場(当時)から、そして昭和32年に陸前高田の海岸に滑走路を設置し、

漁業協力飛行を実施していたのだそうです。

小岩井農場と陸前高田にも滑走路があったのですね~(@Д@)

DSC_0130.jpg

ヘリポートがあったと思われる辺り。

現在は県立の特別支援学校になっています。

DSC_0137.jpg

建設予定地(と思われる辺り)は大部分が円山公園内で、こんな感じ。


     栃木県・東武今市飛行場(計画)      

東武今市飛行場(計画) データ
設置管理者: 東武鉄道/東日本航空
空港種別:陸上飛行場
所在地:栃木県日光市瀬尾
座 標:N36°44′14″E139°40′09″
標 高:426m
滑走路:890mx25m
着陸帯:1,020mx60m
方 位:10/28?
(座標、標高、方位はグーグルアースから)

沿革
1953年 7月  海洋航空株式会社設立(航空撮影、不定期運送、遊覧飛行、魚群探知等)
1961年 4月15日 東武鉄道、海洋航空に資本参加。業務提携
      4月18日 東日本航空と改称
      4月29日 鬼怒川ゴルフ場を基地としてヘリによる鬼怒川、日光上空の遊覧飛行開始
1962年 3月8日 今市市瀬尾の大谷川河川敷に飛行場建設許可。航空測量分野に本格参入
      4月10日 飛行場誘導路の一部が完成し、ヘリポートとして利用
1968年 ヘリコプター部門廃止。 航空測量部門を拡充
1991年 4月  商号を東武計画株式会社に変更
2010年 12月 東武計画、パスコグループ入り
2011年 11月 東日本総合計画株式会社TOLEXに社名変更

関連サイト:
東日本総合計画株式会社公式サイト  
ブログ内関連記事       

この記事の資料:
「東武鉄道百年史」
東武鉄道公式サイト
パスコ公式サイト
東日本総合計画株式会社公式サイト
水産航空株式会社公式サイト


コメント(4)  トラックバック(0) 

コメント 4

an-kazu

この界隈といえば・・・R119沿い、
今市の水道資料館や円筒分水井であります(*^^)v

そんなところに興味があるのは、私くらいなもんです┐(´д`)┌ヤレヤレ


by an-kazu (2016-12-15 22:37) 

とり

■an-kazuさん
>今市の
おお、ここにも円筒分水井あるんですね!
知ってたら寄ってたかも。
円筒分水は、an-kazuさんが以前紹介されていた、
「富山県魚津市片貝川両岸」で初めて知りました。
by とり (2016-12-18 08:52) 

お名前(必須)

世界航空機年鑑1967年版
東武今市飛行場 栃木県今市市瀬尾
1200×60 アスファルト 東武鉄道 工事中と書かれています
このような計画だったのでしょう
by お名前(必須) (2017-06-22 09:51) 

とり

貴重な情報をありがとうございますm(_ _)m
1967年版ということは、ヘリコプター部門を廃止して、
当飛行場計画が完全に立ち消えになる前年ですね
対外的には未だ「工事中」ということにしていたんですね。
by とり (2017-06-23 18:04) 

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