So-net無料ブログ作成

広島県・広島ヘリポート [├場所]

  2015年10月 訪問 

広島県広島市西区にある「広島ヘリポート」。

1961年、広島県の空の玄関口として開港したここ「広島空港」でしたが、

1993年、新広島空港が三原市に開港したのを期にここは「広島西飛行場」となり、

2012年には「広島ヘリポート」となりました。

現在広島県警察、広島県ドクターヘリ、広島市消防航空隊、第一航空、朝日航洋等が使用しています。

広島市では、1,800m滑走路を擁する当広島ヘリポートの敷地を段階的に縮小していきました。

上図は広島市のサイトを参考にヘリポートとして活用する「最終形態」を囲ったものです。

 

D20_0063.jpg

プレートが「広島西飛行場」から替えられてました。

 

D20_0065.jpg

広島県ドクターヘリと、広島市消防航空隊

 

D20_0075.jpg

R/W22エンド

ブラストパッド部分まで完全に残っています。

今のところ滑走路を削ったりはしてないみたいですね。

それでも広島市には今後様々な跡地活用プランがあり、2013年3月には検討委員会による最終会合で素案がまとまり、

エリアごとに広域防災、スポーツ・レクリエーション用地、大型商業施設やテーマパーク等の建設を計画しています。

実際に開発が始まれば、あっという間に滑走路の舗装は削られてしまうのでしょうね。

こうして完全な形の滑走路が見られるのもきっと今のうち。

滑走路のカケラ、オイラにちょっとちょーだい!

画面左奥、滑走路上にフェンスが設置してあり、「もう飛行場ではない」感が漂っています。

市のサイトに示されている図では、この滑走路中心線のところまでヘリポートの敷地。

理由は不明ですが、図の敷地とフェンスの位置にはズレがあるようです。

どっちが正しいんだろう。どっちも正しいのかしらん。

 

D20_0068.jpg

ドクターヘリが駐機してました。

ヘリポートの磁方位は滑走路と同じで04/22です。

 

D20_0070.jpg

画面左側にあるのが「広島南道路(広島高速3号線)」。

 

「広島ヘリポート」の位置関係

紫で囲ったのが「吉島飛行場」跡地。

(かつて「広島飛行場」とも呼ばれた)「吉島飛行場」はこんなに近くにあったんですね。

知り合い、お得意先に広島出身の方が居られるのですが、皆さん口をそろえて仰るのが、「旧広島空港」の如何に便利だったか。

右上に広島駅もありますし、ホントに市街地ですよね。

「旧広島空港」は滑走路が1,800m しか確保できず、無理やり767を使うのがやっとで、747の就航が出来ません。

滑走路を延長しようにも、北側はびっしりと市街地になっています。

このため北側での用地確保はおろか、空港、飛行場時代には近隣住民による騒音問題に非常に根強いものがあり、

行政は対応に苦慮していたのだそうです。

このため、「ここの飛行場は地元市民から追い出されてしまったのだ」という見方もあるのだとか。

伊丹空港等のように、もしかしたら現在ならここに飛行場があることについての地元の方の感覚は当時と異なるのかもしれません。

 

一方、反対の南側河口付近は軟弱地盤のため、埋め立てには巨額の費用が必要になるのだそうです。

このように、滑走路の延長が難しいというのが大きなネックとされていたのですが、

羽田の発着枠が(若干)拡大し、機体のダウンサイジング、運航多頻度化が進んだ現在ならこれは乗り越えられるはず。

…なのですが、上図を見ての通りで、旧飛行場敷地は太田川放水路と天満川に挟まれた細長い地形であり、

更にその半分は三菱の敷地ですから、飛行場は文字通り鰻の寝床のような、ものすごく細長い敷地になっており、

平行誘導路も設置できず、エプロン、ターミナル、駐車場の拡張も難しいです。

運用可能な機材が限定される上に、拡張が難しいため処理能力を増やすことが出来ず、多頻度化も難しい。

そして決定的となったのが滑走路をかすめるように計画された件の「広島南道路」。

広島南道路の建設方法を巡って、飛行場の機能維持を求めてトンネル方式を主張する広島市と、

工費縮減の観点から橋梁方式を主張する広島県との間で対立があったのですが、

2004年5月のトップ会談で結局橋梁方式での建設が決まり、

「短い短い」言われていた滑走路は、高度制限から更に340 m短くなりました。

広島市街に近く、滑走路、周辺施設の用地を十分に確保でき、騒音問題も起こさない-

そんな理想的な空港を造ろうとしたら、もう広島ヘリポートの沖合に海上空港を建設するしかないんじゃないでしょうか。

建設費がすんごいでしょうけど。

 

以下余談となりますが。

以前、拙記事:広島西飛行場(運用当時)のコメント欄で、

「幼少時近辺に住み、10代後半から学・職・県外を経て親世話で県内戻りの男」さんから様々貴重な情報、提言を頂き、

議論したのですが、「飛鳥」のようなSTOL機こそ、こういう制約だらけの都市部飛行場に相応しいのではないかと思います。

大勢の乗客を乗せ、通常機より短い滑走路で運用可能。

しかも離陸上昇、着陸進入、いずれも通常機より急角度にすることができますから、騒音の範囲を狭く抑えることも可能。

ただし、STOL性に特化した機体はどうしても様々なネガが出てしまいます。

興味のある方は拙記事:広島西飛行場(運用当時) のコメント欄をご覧いただきたいのですが、

極低速での急上昇、急降下のために、エンジンパワーで機体を吊る状態となりますから、エンジン停止はかなりヤバいです。

安全性とSTOL性能を確保するために重いエンジンをたくさん積み、主翼も巡航にはあまり向かない形状となります。

STOL機は、短距離離着陸というその名が示す性能と引き換えに経済性と安全性に難アリの機体となってしまいます。

それでもSTOL旅客機を開発し、滑走路上のフェンスを撤去し、STOL機用の支援設備を設ければ、

羽田~広島西便は実現するはずです。

ただしチケット代は確実に数割は高くなるはずで、

羽田ではなく調布を使えば、着陸料の節約で多少安くはなると思いますが、果たして利用客はどの程度集まるでしょうか。

 

無題b.png
1975年1月当時の写真(CCG747 C13 24) (「同意する」をクリック→戻る→再度■をクリック。) 
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成)

おまけ:「広島空港」だった頃の写真。

磁方位が、03/21→04/22 に途中で変更になったんですね! 知らなかった(@Д@)


      広島県・広島ヘリポート     
飛行場時代の収支ですが、長いこと5億~6億の赤字が続いていました。 県の関連サイトによりますと、2010年度(広島西飛行場当時)の収支が5.1億円の赤字だったのに対し、ヘリポートに移行してからは徐々に赤字額が減少し、2014年度は3.1億円の赤字となっています

広島ヘリポート データ
設置管理者:広島県/広島市
運用時間:8:30~19:00(有事の際は知事の許可により時間外でも使用可)
所在地:広島県広島市西区観音新町
座 標:N34°22′17″E132°25′03″
標 高:2m
面 積:8ha
着陸帯:35m×30m
磁方位:04/22
誘導路: 28m×9m
エプロン:20,580平方メートル、スポット数14
*座標、標高はグーグルアースにて算出

航空管制周波数
・飛行場アドバイザリー
  フライトサービス 130.65 HIROSHIMA FLIGHT SERVICE

沿革
1961年09月 広島空港供用開始
1993年10月 新広島空港供用開始、広島空港は「広島西飛行場」に変更
2004年05月 31日 知事と市長のトップ会談で「南道路は橋梁方式で建設」に決定
2012年11月 広島西飛行場廃港、「広島ヘリポート」に変更
2013年05月 1日、広島県ドクターヘリ本格運行開始
2014年03月 23日 広島南道路旧飛行場部分開通
2015年03月 13日、広島ヘリポート格納庫竣工

関連サイト:
広島市/広島西飛行場跡地活用ビジョン    

ブログ内関連記事  
広島西飛行場(運用当時)       
広島ヘリポート(2013年4月訪問)   


コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

コメント 3

鹿児島のこういち

滑走路が残っていたら、トップギアみたいな自動車、バイクの遊び場になればな、思うのは僕だけ?(^^)
昨夜の地震、職場は揺れましたが、自宅は岩山の上に建っているせいか、家族の話ではそんなに揺れなかったそうです。
by 鹿児島のこういち (2016-04-15 10:03) 

an-kazu

現広島空港は確かにトオイ( ゚д゚)ポカーン

一度だけの利用でしたが、新幹線のほうが
便利なようです。


by an-kazu (2016-04-15 22:33) 

とり

■鹿児島のこういちさん
>遊び場
いいですね~。
せっかくの広々空間ですから、是非有効に活用してもらいたいものです。
ご自宅それほど揺れなかったそうで何よりです。
「震源が浅いので被害が局地的だった」と繰り返し聞いているのですが、
鹿児島も相当の揺れだったのですね。
今回の被災地の方にお見舞い申し上げます。

■an-kazuさん
おお、利用しましたか。
騒音問題から僻地に移らざるを得ないとはいえ、
遠いですよね~。
by とり (2016-04-16 04:24) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0