So-net無料ブログ作成

ANA、A380発注正式発表 [├雑談]

ANA、A380の発注を正式発表

1月29日、ANAがA380の3機発注を正式発表しましたね。

突然ですが、「世界最大の旅客機」A380はどれだけコンテナを積めるのか、B777-300と比較してみました。

広く使用される規格コンテナ(LD-3)の搭載可能数で比較すると、

B777-300:44個
A380-800:38個

で、A380はB777-300より搭載数が少ないです。

以前の記事 で書きましたが、A380は「重さと比較した翼面積(翼面荷重)」が他の旅客機より少し大きいです。

翼面積が大きいと、ゆっくり経済的に飛ぶには都合が良いのですが、

空気抵抗をより大きく受けるため、高速飛行には向きません。

ところがA380は巡航速度を高く設定しています。

加えて総二階建ての図体、B777-300よりやや推力の小さいエンジンを4つ回すため、

B777は勿論のこと、新世代の経済性に優れた旅客機と比較しても、「乗客1人あたりの燃料消費量」で分が悪く、

巨体の割にはコンテナも積めませんから、「搭乗率が低くても貨物で挽回」というのもなかなか難しく、

常に高い搭乗率を維持しないと利益を出すのが難しいヒコーキと言えます。

このため、ANAのA380発注を巡ってネット上では、

「あんな燃料喰いの高コスト機を導入してANAの経営は大丈夫なのか」

と危惧する系と、

「A380をホノルルに投入するANAの経営戦略」系に大きく二分されています。

この記事では特に「あんな燃料喰いの高コスト機を導入してANAの経営は大丈夫なのか」

と危惧する系に絞ってオイラの妄想話を。

 

ANAの圧勝!!

-ANAはA380を自社フリートの柱に据える気はなく、多少の赤字が出ても構わないと考えている-

結論から申しますと、これがオイラの予想です。

もう1つ付け加えるなら、余りに赤字が酷いようなら、とっとと売り払ってしまうはずです。

そもそもANAがA380を導入したのは、スカイマークを自社の傘下に置くためでした。

スカイマークの支援をどちらが行うかで米デルタ陣営との間で激しい争奪戦を演じ、

大方はANA不利と見ていたものの、フタを開けてみれば結果はANAの圧勝でした。

この大逆転劇は、スカイマークが発注したA380をANAが引き取るという条件で、

エアバス、ロールス・ロイス、CITの取り込みに成功したためだとされています。

 

ANAにとってのメリット

めでたくスカイマークを自社の傘下に置くことに成功した訳ですが、

A380というお荷物(となりかねないブツ)を引き取る代わりにANAが手にした最大のもの、

それは、スカイマークの持つ36という大量の羽田発着枠です。

ANAはこれが欲しかったからこそ、デルタと激しい争奪戦を繰り広げ、A380という高い買い物までしました。

これまで大手2社の羽田発着枠は、JAL:183.5便、ANA:171.5便 でした。

これが今後は、JAL:183.5便、ANA:171.5便+36便(207.5便) となります。

スカイマークはこれまで「大手に対抗する第三極」としてANA、JALとは距離を置く独自の経営を行い、

羽田便の値下げに大きな役割を果たしてきました。

ANAにとってみれば、目障りな存在。

スカイマークが傘下に入ることで、ANAはJALを上回る大量の発着枠を管理下に置くことになったばかりでなく、

羽田便のチケット代をコントロールすることが可能になりました。

勿論、傘下に入れたからといって、スカイマークとその発着枠が完全にANAの好き放題になる訳ではなく、

ANAも、そして当然ながらスカイマークも、「スカイマークの独自性は守る」としているのですが、

ANAは当初、新生スカイマークに自社から社長を送り込むつもりで、国交省から“やり過ぎだ”と待ったをかけられました。

旧スカイマーク経営陣、それに国をも巻き込んでの駆け引きは既に始まっています。

 

ANAにとってのデメリット

ANAはA380導入に伴い、パイロットと整備士の養成、運航する上での規定作り等、沢山の準備が必要となります。

実際に運航が始まれば、万一機材にトラブルが発生した時に備え、500~600人を運べる予備機にも気を回さねばなりません。

購入数はたったの3機ですが、保有数が少ないからといって準備と運航が楽になることは決してなく、

むしろ「しなければならないこと」の項目は3機だろうが100機だろうが大して変わりません。

導入に伴う諸々を考えると、本当は最低でもA380を10機は保有していないと効率よく回せず、

そのメリットが十分に活かしきれないのだそうです。

導入の前準備も、導入後の運航も本当に大変なことで、A380が驚くほどの高収益を上げるとも思えません。

しかしこうしたA380導入に伴うデメリットは、「ANAの言いなりにはさせまじ!」とする勢力にとって、

有形無形に利いてくるはずです。

「あーあ、どこかの代わりにデカブツ引き取らされたせいでウチは大変だなー、イヤーホントに大変だなー(チラ)」

みたいな感じで、A380導入に伴うデメリットでさえ、

ANAのシナリオ通りに事を進めようとする局面ではメリットになり得るはずです。

運航がなかなか軌道に乗らず、大きな赤字を出し続けるようであれば、A380を売却すれば良いだけで、

仮にそうなったとしても、A380を受け入れる代わりにANAが手にしたものは、

「A380を導入してまで守った権益」という事実と共に、売却後も残り続けます(リセールバリューは最悪でしょうが)。

仮にスカイマークがデルタの傘下に入っていたとしたら、羽田の36枠がデルタ側に行っていた訳で、

国内航空会社でさえ喉から手が出るほど欲しい大量のまとまった羽田枠を外国航空会社がどう使っていたか知れません。

「ANAで本当にヨカッタ~」と国交省も思ってるのじゃないかしらん。

 

もう1つのメリット

ANAがA380を導入するメリットとして、イメージ効果もあります。

一昔前に比べ、国内で747を見る機会は本当に少なくなりました。

そんな中、総二階建て4発機のインパクトは絶大です。

ANA塗装を施した巨人機の雄姿は、マニア様からオイラのような健全な一般人に至るまで恰好の被写体となり、

「ANA塗装のA380の横でチョコマカしてるJALのB737タソカワイイ!」みたいな対比写真も拡散しまくるはず。

"かつてのフラッグキャリア・JALさえ持っていない世界最大の旅客機"

JAL<ANA というイメージが浸透するはずです。

運航そのもので多少の赤字が出ても、この絶大なCM効果を生む写真が撮りまくられた時点で、

もうA380導入の意義は十分あると思います。

 

トータルで

繰り返しになりますが、A380の運航と、それに伴う諸々含めれば、労力とコストは相当なものになるでしょう。

パイロットは最低でも1機あたり10人必要なため、A380を3機運航するには、30人~40人を確保しなくてはならないそうです。

A380の運航と支援体制の構築と維持、諸々全部ひっくるめて利益が出せないとしても、

ここに挙げた(オイラが思いつかないだけで他にももっとあると思いますが)ようなメリット・デメリットをひっくるめ、

トータルで大きなプラスになると踏んだからこそ、ANAはA380の導入に踏み切ったはずです。

羽田の発着枠は、「1つで年間20億~30億円の利益が出る」とされています。

それを36も支配下に置き、これまで対抗上上げる事がなかなか難しかった羽田便の価格をコントロール下に置けるとなれば、

これは大きなメリットとなるはずです(羽田便利用者にとっては嬉しくない話ですが) 。

A380の導入がこうしたメリットを得るための手段であると割り切って見たとき、

ANAが購入するのがたったの3機であることも、シミュレーターと整備は社外とする方針であることも、

オイラにとっては、「ANAはしたたかだなあ」という思いを強くします。

「A380をホノルルに投入するANAの経営戦略」的な記事を拝見すると、

A380をホノルル線に持って来るメリットは様々あり、ANAもA380で赤字を垂れ流す気は毛頭なく、

様々な戦略を練っているようです。

 

どうなりますか。


コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

コメント 2

me-co

だいぶ経ってますが、こんばんは。
A380ネタ、わたくし好みの記事なのに・・・気付かずすみませんです(_ _;)<ちょうどこちらの記事投稿の頃は、追い込まれてフィジカル&メンタル的に規模しい頃でした(汗)
いろいろ分析してますねぇ~凄いなぁ(@。@)あのタイミングで採用決めるのはスカイマークがらみ、とは詠んでいましたが、なるほど!ANAも強かですねぇ。

by me-co (2016-10-01 22:12) 

とり

■me-coさん
おはようございます。
me-coさんにとってこの頃はウインターシーズン真っ盛りで、
しかも資格取得の重要な時期だったんじゃないでしょうか。

こういうヒコーキ時事ネタとか、メカニカルネタの方が
興味を持つ方も多いですし、書いてて面白いんですけどね~。
このところすっかり跡地系一辺倒で。。。^^;
by とり (2016-10-02 05:18) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0