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中標津不時着陸場跡地 [├国内の空港、飛行場]

   (未訪問)  



無題7.png
撮影年月日 1947/10/31(USA M643-1 112)  
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成)

北海道標津郡中標津町、中標津空港の南南東約4.4kmに、

昭和15年当時、標津村役場所管の「中標津不時着陸場」がありました。

防衛研究所収蔵資料:「航空路資料 第11 北海道地方飛行場及不時着陸場 昭和16年(1941年)3月刊行 水路部」

の中で、当不時着陸場の資料がありました。

以下引用させて頂きます。

中標津不時着陸場(昭和15年8月調)
標津郡標津村字中標津(中標津駅の南方約1.2粁)

所管 標津村役場。
着陸場の状況
高さ 平均水面上約50米。
広さ及形状 本着陸場は中標津駅の南西方に位し、着陸区域は概ね図示の
如く北東-南西長さ約550米、幅約150米の短形地区なり(付図参照)。
地表の土質 表土厚さ約1米は腐蝕質壌土にして其の他は硬質火山灰。
地面の状況 本場は北海道庁農事試験場の牧草試作地にして地表概ね平坦
なるも中央部稍軟弱の部分あり、着陸区域は一面に牧草密生す、但し其の南西
部道路付近は雑草及芝等発生す、高燥地なるを以て排水良好なり・日射に因る
影響少なきも乾燥期強風吹続する時は塵埃を飛揚す・降水及冬季霜解、春季雪
解の際は地表泥濘となることあり、場の周囲は畑地なり。
障碍物 着陸区域内にはなし・場の東西両側に高さ約8米の「ポプラ」竝
木あり。
適当なる離着陸方向 北東-南西。
着陸上注意すべき点 着陸場の南西方に隣接し幼駒運動場(旧競馬場)あ
り、場内の伐根、破損牧柵及立木等は離着陸の際特に注意を要す。

周囲の状況
地勢 本場は標津川流域に在る標津村内南部台地上に位す、付近台地は西
より東に向いて緩慢なる傾斜をなす・北方及西方には知床半島の脊梁をなす千
島火山脈の山岳連互す即ち北方約40粁に海別岳(1,419)、其より南西方に斜
里岳(1,145)「サマツケヌプリ」山(1,068)、標津岳(1,061)等の諸峯あり、
又場の北方約18粁に武佐嶽(1006)従え、其の北隣の尖峯(984)と共に著峯
たり。

測候所 根室測候所(根室郡根室町)南方約90粁・航空気象観測の設備
なし。
地方風 全年を通じ南西風にして5、6月のみは偏東風流行す・最近の月
別最多風向次の如し。

以下月別の風向(省略)

天候 北西方に諸山脈相連なるを以て「オホツク」海より襲来する風雪或
は濃霧を遮断し気候温暖なり・8、9月を雨期とし降雪は12月初旬にして4月
下旬融雪す・昭和4年至同7年4箇年間の統計次の如し。

以下月別の晴天日数、曇天日数、降水日数、霧日数(省略)

地方特殊の気象 8、9月中知床連峯よりの強風連吹す・当地方は根室方面
に比し霧の発生少く其の濃度も遥に薄し但し時々早朝濃密なる陸霧を見ること
あるも日出後間もなく消散す。

其の他
本場は着陸場として何等の人工を加えたることなき生地にして単に不時着陸可
能と認めらるる程度のものなるを以て使用上注意を要す・場の南西側に隣接し
て破損牧柵等ある広場あり、着陸場と誤認せざる様注意を要す。


ここは道の牧草試作地だったんですね。

現在でも住宅地のすぐ傍に、埼玉在住のオイラには考えられないスケールの広大な緑地が、

キチンと区画化されて(←これ重要)続いていて、如何にも北海道という感じです。




     北海道・中標津不時着陸場         


中標津不時着陸場 データ
設置管理者:標津村役場
空港種別:不時着陸場
所在地:北海道標津郡標津村字中標津(現・標津郡中標津町桜ヶ丘1,2丁目)
座 標:N43°32′25″E144°58′47″
標 高:50m
滑走路:550mx150m
方 位:05/23

沿革
1940年 この頃当不時着陸場があった

この記事の資料:
防衛研究所収蔵資料:航空路資料 第11 北海道地方飛行場及不時着陸場 昭和16年(1941年)3月刊行 水路部

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■飛行場/跡地リストA■ 北海道~関東 [├国内の空港、飛行場]

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最終更新:2019/05/20 北海道・中標津不時着陸場跡地 追加


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4.PNG

 

 北海道 
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計根別第三飛行場跡地    
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中標津不時着陸場跡地 

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古河航空機乗員養成所(岡郷/小堤/関戸の飛行場)跡地    
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関城ULP飛行場    
下館飛行場跡地
     
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金丸原陸軍飛行場跡地
  
湯津上(佐良土)飛行場跡地
  
御前原飛行場跡地
  
今市飛行場跡地
  
鬼怒川(氏家)滑空場
  
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大野原飛行場跡地
  
宇都宮(宇都宮南)飛行場
  
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仁良川飛行場跡地
  
小山絹滑空場
  
藤岡(静和)飛行場跡地
  
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黒磯滑空場跡地  

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大西(館林エアロ、旧陸軍館林)飛行場(運用当時)     
 館林(大西)飛行場跡地追加  
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新田陸軍(生品)飛行場跡地        
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相馬原飛行場
  
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三尻陸軍(稜威ケ原)飛行場跡地     
小原(熊谷南)飛行場跡地
     
荒川河畔グライダー場跡地
   
関東松山飛行場跡地
    
東京フライングクラブ飛行場
    
ホンダエアポート
     
 桶川陸軍飛行場跡地  
坂戸陸軍飛行場跡地
    
高萩飛行場跡地    
大宮の中島飛行機飛行場跡地
    
越谷(論田、新和、荻島)飛行場跡地
      
所沢飛行場跡地     
入間基地(旧豊岡陸軍飛行場、ジョンソン基地)    
狭山飛行場跡地
      
吹上飛行場
  
大里飛行場
  
浦和(埼玉第一)飛行場跡地
  
朝霞訓練場離着陸場跡地
  

■千葉県■ (COMPLETE)   
下志津陸軍飛行学校銚子分教場跡地
    
香取航空基地(干潟の飛行場)跡地    
横芝(栗山、横芝栗山)飛行場跡地    
成田国際空港(成田空港)     
下志津陸軍飛行学校八街分教場跡地     
豊成(東金)飛行場跡地    
関宿滑空場
  
蕃昌飛行場跡地    
柏飛行場跡地
    
逓信省印旛地方航空機乗員養成所、印旛(草深)飛行場跡地
   
下総航空基地
    
松戸飛行場跡地    
習志野離着陸場
    
船橋飛行場跡地(初代)    
船橋飛行場跡地(二代目)
    
伊藤飛行機研究所滑走路(津田沼、伊藤飛行場)跡地    
下志津飛行場跡地
   
稲毛飛行場跡地
    
白戸飛行機教習所跡地   
浦安市の臨時滑走路
   
誉田飛行場(平川滑空場)跡地
    
真名(茂原)飛行場跡地   
茂原海軍航空基地跡地
    
太東航空基地跡地    
木更津飛行場
    
館山航空基地
    
県営千葉県魚群探見飛行場跡地  
大利根飛行場跡地(水上機基地)  
佐原飛行場跡地 
五井水上基地跡地  

■東京都■ (COMPLETE)   
千住草加間国道秘匿滑走路跡   
岸飛行場跡地      
板橋(前野)飛行場跡地
      
成増陸軍飛行場跡地
    
篠崎飛行場(江戸川飛行場)跡地     
洲崎(深川浦)飛行場跡地・江東区    
月島飛行場(晴海連絡用滑走路)跡地    
東雲飛行場跡地     
代々木練兵場跡地
     
東京国際空港(羽田空港)
   
 東京羽田飛行場(1931~1939)  
 東京飛行場(1940~1945)  
 ハネダエアベース(1945~1952)  
 東京国際空港(1952~)  
戸田橋滑空場跡地
  
読売飛行場跡地
    
調布飛行場
     
東京陸軍航空学校滑空場跡地   
横田(旧福生、多摩)飛行場     
国立飛行場跡地   
立川飛行場
    
昭和飛行場跡地
    
旧陸軍大島飛行場、北の山陸軍飛行場、旧大島空港跡地
   
大島空港
  
神津島空港
  
三宅島空港
   
八丈島海軍(三根)飛行場跡地
   
八丈島空港
  
新島空港
  
 陸軍新島飛行場跡地  
 新島村営場外離着陸場跡地  
洲崎飛行場(江東区豊洲)跡地
  
深川7号埋立地(洲崎飛行場・江東区辰巳)跡地
  
中島大井(大井)飛行場跡地
  
(洲崎飛行場跡地(父島))
   
(父島飛行場)
  
(千鳥(下の、第一)飛行場跡地)
   
(元山(第二)飛行場跡地)
 
(北(上の、第三)飛行場跡地)
  
(硫黄島飛行場)
  
(南鳥島飛行場)
   

■神奈川県■ (COMPLETE)   
伊勢佐木町(若葉)飛行場跡地      
間門飛行場跡地
      
第十一横浜水上基地(根岸飛行場)跡地     
横浜水上基地(富岡飛行場)跡地
      
横須賀第一(追浜)飛行場跡地
     
横須賀第二(長井)飛行場跡地
      
横須賀第三(黒崎、初声)飛行場跡地
      
キャスナー陸軍飛行場     
相模(中津)飛行場跡地
     
大山秘密航空基地(厚木第二飛行場)跡地      
厚木飛行場
      
厚木(銀紙)飛行場跡地  
藤沢飛行場跡地      
磯子飛行場跡地
  
三本葭飛行場跡地
  
玉井飛行場跡地
  
片岡飛行場跡地
  
宗里飛行場跡地(第一航空学校)
  


更新履歴
2019/05/20 北海道・中標津不時着陸場跡地 追加
2019/05/13 北海道・愛国釧路飛行場跡地 追加
2019/05/06 北海道・稚内不時着陸場跡地 追加
2018/10/15 栃木県・黒磯滑空場跡地 追加
2018/10/05 長野県・軽井沢競馬場跡地 追加
2018/10/04 長野県・長野県・臨時飛行場跡地 追加
2018/10/03 長野県・旧軽井沢ゴルフクラブ6番コース(米八軍飛行場跡地) 追加
2018/08/13 千葉県・五井水上基地跡地 追加
2018/08/09 茨城県・阿見飛行場(廃止後) 追加
2018/08/07 茨城県・真壁(金敷)秘匿飛行場跡地 追加
2018/08/06 栃木県・中禅寺湖水上機基地跡地 追加
2018/08/03 福島県・御代田航空基地跡地 追加
2018/08/01 山形県・寒河江の滑空場跡地(推定位置) 追加
2018/07/28 秋田県・佐藤章飛行士発着跡地 追加
2018/07/27 秋田県・後三年滑空機練習所跡地 追加
2018/07/21 新潟県・高田練兵場着陸場跡地 追加
2018/07/18 群馬県・坂東飛行場跡地 追加
2018/06/18 山梨県・甲府練兵場着陸場跡地 追加
2018/06/15 長野県・赤砂飛行場跡地 追加
2018/06/13 岐阜県・高山市北北東方上野平着陸場跡地 追加
2018/06/11 滋賀県・大津陸軍少年飛行兵学校跡地 追加
2018/06/09 京都府・長田野着陸場跡地 追加
2018/06/08 京都府・高津航空基地跡地 追加
2018/06/07 京都府・綾部航空基地跡地 追加
2018/06/05 石川県・七尾水上機基地跡地 追加


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愛国釧路飛行場(愛国飛行場)跡地 [├国内の空港、飛行場]

   2010年6月訪問 2019/5/12更新  


無題b.png
撮影年月日1947/11/22(USA M673 55) 
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成)

北海道釧路市にあった「愛国釧路飛行場」。

有名な釧路湿原のすぐ南側にあり、新釧路川左岸、河口まで3kmちょい、

釧路空港の東南東約15kmに位置していました。

当飛行場につきましては、長いこと「おおよそこの辺りにあった」としか分からなかったのですが、

防衛研究所収蔵資料:「航空路資料 第11 北海道地方飛行場及不時着陸場 昭和16.3 水路部」

の中に当飛行場の付図があり、上に貼った1947年の航空写真で似た地割はないかと探したところ、

やっと正確な場所を確定することができました。

2010年に現地にお邪魔して、多分この辺。と写真を撮った場所は完全にズレていました。

某サイト様でリンク貼って頂いていることもあって、改めてこちらでご紹介させて頂きます。

飛行場の南半分は現在すっかり住宅地になっているんですが、北半分はまだそれほど開発がされておらず、

L字型の着陸可能地区の地割が一部残っていました。

先頭のグーグルマップは、水路部資料の付図を参考に作図しました。

同資料に当飛行場の資料がありました。

以下引用させて頂きます。

愛国釧路飛行場(昭和15年8月調)
釧路市鳥取村字鳥取(釧路駅の北方約4粁)

所管 釧路市役所。
着陸場の状況
高さ 平均水面上約4米。
広さ及形状 本飛行場は総面積50萬平方米にして未だ整地中なり・着陸可
能区域は長さ東西約700米、幅南北約600米の略L字形地区なり(付図参照)。
地表の土質 沙を混ずる尋常土・泥炭地は約2米にして其の下部は良質な
る尋常土。
地面の状況 本場は西方新釧路川の土沙を盛土整地の上7頓「ローラー」
を以て転圧しあるも硬度十分ならず・中央部稍高くこれを中心として四囲に約
1/600の下り傾斜あり・全面植芝を為しあるも夏期は雑草繁茂し整理の必要あり
・排水施設としては地下に2本の主排水暗渠を東西及南北に設置し之に交叉す
る十数条の補助排水暗渠(内径約30糎のコンクリート管)を60-100米の間
隔を以て埋没し場内の溜水を周囲に設けある小排水溝より開渠(幅約4米)に
注がしむ、排水良好なり・日射及降雨に依る影響なきも冬季降雪の際は凍結し
尚雪解期には一時的に稍軟弱と為ることあり。
障碍物 区域内にはなし。
離着陸方向 北北東-南南西。
離着陸上注意すべき点 硬度充分ならず。
施設 吹流柱(高さ約8米)

周囲の状況
地勢一般 本場四囲は平坦広濶なる釧路平野にして遙北西に阿寒山系の高
峯連互し南東方は太平洋なり、釧路平野は釧路川及阿寒川に依り形成せる沖積
地にして釧路川下流は大なる湿地帯なり此の湿地帯は一望平坦荒蕪地にして地
表下2米位迄泥炭層をなし其以下は良質の尋常土にて形成せらる・場は此湿地
帯の南西部新釧路川東側に設備されたるものなり。
山岳丘陵 北方遥か遠く屈斜路、阿寒の火山群に属する西別、跡佐登、雄
阿寒、女阿寒等の諸火山峯聳ゆ・西方遠く白糠丘陵横たわり其の最高峯は「ウ
コタキヌプリ」山(高さ745米)なり。
堤防 場の西側に新釧路川の土堤あり高さ約3米なり。
河川 本場の東方には釧路川の支流雪裡川あり西方には新釧路川及旧阿寒
川流る・釧路川は屈斜路湖に源を発し断層谷を南東流し標茶付近にて方向を南
西に転じ坦々たる湿地を蛇行して本場の東方付近に於いて雪裡、幌呂川を合せ釧
路市に於て太平洋に注ぐ、舟筏の便に富み流域に於ける交通並に物資運輸の利
便を供す・場の至近西側を流れる新釧路川は場の北方約10粁付近にて釧路川
本流より分岐して釧路港外港北端に於いて海に注ぐものにして河口付近に於いて旧
阿寒川を合す尚河口東側海岸には東防沙堤あり。
建築物 本場の南西方付近に数箇の民家あり。
市街 場の南東方約3粁に釧路市あり全市は釧路平野の南東部釧路川河口
に在り、北海道東部随一の良港を有し其の大規模なる築港工事も完成に近く
十勝、釧路北見根室地方物質の集散市場として殷賑なり。
煙突 場の南西方約4.5粁に高さ約37米の王子製紙会社工場の煙突あり
電線 場の西側道路に沿い北東より南西に走る高さ約7米の電話線あり
着目標 釧路川、新釧路川、釧路市、王子製紙会社工場、放送局塔・本場
の南西方新釧路川の河口西側に在る王子製紙会社釧路工場の煙突(2基)は其
の煤煙に依り風向きを測定し得べく又浪花町に在る札幌鉄道局釧路工場、釧路川
南方高台にある、市役所、裁判所、警察署及之に隣接する博濟病院の塔、釧路
埼灯台等は好目標となる。

地方の状況
軍隊 釧路連隊区司令部(釧路市浦見町)南方約5.5粁。
警察署 釧路警察署(釧路市幤舞町)南方約5.5粁。
駐在所 鳥取村駐在所(釧路郡鳥取村)南西方約3粁。
支庁及役場 釧路国支庁(釧路市浦見町)南方約5.5粁。鳥取村役場(釧
路郡鳥取村)南西方約3粁。
医療 釧路市に医院10、病院1、鳥取村に医院1あり。
宿泊 釧路市に旅館約30(収容員数計約500)、鳥取村に旅館1(収容員数
約10)・近くに釧路市を控うるを以て宿泊至便なり。
淸水 付近農家に水量豊富水質良好なる井戸あり。
応急修理 釧路市に鐡道工場2、民営工場6箇所あり、又発動汽船を造船
し得る造船所及修理工場あり一時的応急修理程度ならば可能。
航空需品 釧路市に於て航空用燃料油、潤滑油及「ガソリン」等補給可能
・燃料油供給者は函館石油釧路支店、株式会社村上石油店、日米礦油釧路出張
所等あり。

交通運輸及通信
鉄道 新富士駅(根室本線)南西方約3粁・省線は東方根室に至り西方は
帯広を経て札幌及旭川に通ず又雄別炭鉱鉄道株式会社線は釧路市より鳥取村を
北西に貫き雄別炭山と連絡す。
乗合自動車 本場の南西方約1.5粁を通過する釧路乗合自動車の便あり・
最寄停留場は鳥取橋。
道路 本場の西側を南北に通ずる道路及釧路市内より本場に通ずる飛行場
専用道路あり共に自動車類の運行可能・西側道路は4箇所の橋により新釧路川
対岸との交通連絡あり。
港湾 釧路港は釧路川河口に位し防波堤及東防沙堤に依り囲まる、港内は
深水部狭隘なる為著々浚渫拡張中なり、本港は明治32年7月開港場と指定せ
られてより以来急速なる発展を遂げ北海道東部に於ける重要なる港湾なり・当
港を起点又は寄港地とする内外航路は最近急激に増加するに至れり。
車馬 釧路市に自動車(乗用55、貨物55 及荷馬車約140あり。
運送店 釧路市に約2あり。
電信及電話 鳥取郵便局(釧路郡鳥取村)南西方約2粁、電信及電話を取
扱う。

気象
本場は釧路市に隣接し海岸に近きも山稜海岸方面に連互し海霧の影響少く温度
も夏季極度に高温を示さず冬季は温暖にして積雪少し。
測候所 釧路測候所(釧路市幣舞町)南方約5粁。
地方風 最多風向は全年を通じ偏北風にして1月至3月及9月は北北東風
4月至8月は南風、10月、11月は北風、12月は西風なり・大正15年至昭和10
年10箇年間の統計次の如し。(以下、月別の最多風向、平均風速省略)
天候 大正15年至昭和10年10箇年間統計次の如し。
(以下、月別の快晴日数、曇天日数、降水日数、霧日数、雪日数省略)
釧路地方は夏秋の季節は雨霧多く殊に霧は北海道地方に於て最多なる地方にし
て7,8月は平均1箇月約15日間の濃霧ありと言う、其の濃厚なるものは太陽
の光を失い咫尺を辯ぜず甚しき時は6-8米を隔てて人影を見る能はず、而し
て霧は多く午後5時頃より発生し翌日午前9時頃迄に消散するを常とす。
気象特性 (1)冬季 (イ)天気変化の目安 南東方面の海岸に海鳴を聞
く時は天気不良の前兆又海上に群飛ぶ鷗が空高く陸上に群をなして飛ぶ時は時
化の前兆なりと言う・阿寒岳明瞭に視認し得る時及風向西變する時は天気良好
となる傾向あり (ロ)降雪及積雪 11月に於て微雪23日あり、降雪の継続時
間は2,3時間にして雨を含む雪多し、12月の降雪日は稍多く継続時間は約6,7
時間にして粉雪なり1月及2月間は各月12.3日にして2日位連続して粉雪の
降雪あり・12月至翌年2月間の積雪は風の為吹き溜ること多し・11月頃急激
な温度の変化と共に濃霧の来襲することあり・12月中旬より河霧の発生を見1
月及2月間は晴天にして気温零下10度以下に低下したる場合は夜半頃より午
前10時頃迄北北東風に送られ濃密なる河霧の発生を見る (2)夏季 (イ)天
気変化の目安 主として偏南風が卓越せる季節は天気不良勝なるも風向南より
南南東乃至南東に変化する時は濃霧又は雨となること多く南南西、南西となる
時は概して天気良好なり・3月より5月頃迄は早朝北寄りの風吹続し午前10
時頃より偏南風と為る此の場合に於ても北より南南東風乃至南東に変る場合天
気不良勝なり又北風及北北東風の場合不良勝なり・高気圧と天気との関係 高
気圧三陸沖合又は千島東海上に在る場合霧の発生多く高気圧の移動せざる限り
霧の消散すること殆んどなし (ハ)霧7,8月は1年中最も霧多く1日中にては
早朝最も多し、早朝発生せしものは日中一時消散又は薄らぎ夕刻より再び濃度
を増すこと多し、濃霧の継続時間は1-3時間にして1日中に於て数回濃淡を
繰返すこと多し・霧の明視距離は100-1,000米のもの最も多く100米以内と
なること極めて少し (3)天気変化の癖 当地方は海陸風の現象ありて夏季殊
に顕著なり、午前10時前後より風向一変し海上より陸に向い南風吹き夕刻急
転して反対に陸上より海に向い北風吹くを常とす而して1年間を通じ偏東風稀
にして夏季は東西に偏する風向甚だ少し。

其の他
本飛行場は釧路市の施設にして将来本島定期航空路開始の暁は帯広飛行場と共
に其の空港候補地たらしむるを目標とし目下整地中にして将来計画は西方及南
方に拡張して各辺1,000米となす予定なりと言う、現在航空設備全く備りあら
ず。


「地面の状況」の項目に排水施設についての記述があります。

飛行場敷地には2本の主排水暗渠、十数本の補助排水暗渠が設けられていて、

敷地を囲む排水溝から、最終的に幅4mの開渠に排水する、とあります。

加えて、新釧路川の土砂で盛土転圧もしています。

ただの更地なだけじゃなくて、ものすごく手間かけてますね(@Д@)

現在も更地になっている飛行場北側部分、掘り返せば飛行場当時の暗渠が出てくるんじゃないでしょうか。

住宅地になっている部分の地下は、上下水、ガス管等ライフライン整備の都合から、

完全に残っているとは考えられないんですが、もしかしたら残骸的な感じでも残ってるかも。

 
「其の他」の項目では、当飛行場が定期航空路開設を目標にしているとあります。

後述しますが、当飛行場の使用はたったの1回で終わってしまったとのことなんですが、

1回しか使われなかったのは結果論で、まだ整地中の昭和15年当時は、

「定期便の飛ぶ飛行場にするべさ!」という大きな目標があったのですね。

こんな本気の飛行場にする目標があるのなら、地盤改良、排水施設にすごい手間掛けたのも納得です。

また、定期航空路線開設のライバル(?)として「帯広飛行場」が挙がっています。

実は同じ水路部資料の中に、「帯広飛行場(昭和15年8月調)」があり、

「其の他」の項目には、

「本飛行場は帯広市の施設にして公共用陸上飛行場なり将来定期航空の発着場たらしむる計画とのことにて現在整地作業実施中なり」

とあります。

愛国釧路飛行場の「其の他」に出てくる「帯広飛行場」とは、きっとコレのことですね。

因みにこの「帯広飛行場」は、この後すぐに陸軍飛行場として転用されており、

陸軍の「帯広第二飛行場」となりましたので、こちらの名称の方が通りが良いと思います。

このように、定期便の飛び交う飛行場実現を目指す動きが昭和15年当時、この地方にはあったのですね。


以上が昭和15年8月調べの水路部情報なんですが、

ググってみますと、当飛行場について扱っているサイト様が幾つかあります。

それによりますと、

1938年、釧路市長は軍に飛行場建設を働きかけました。

同年調査、建設許可が出されたのですが、資金不足のため中止通達が出てしまいます。

その後、今度は道に働きかけ、釧路の経済界からの15万坪の土地と95,000円の寄付があり、

釧路市文苑、新釧路川左岸に飛行場を完成させることができました。

「愛国飛行場」の誕生です。

地元作成の「 鳥取地域の歴史について」というサイト様(下記リンク参照)の中で、当飛行場について触れられており、

愛国郵便切手寄付金が用いられたこと、現在の愛国という地名はこの愛国飛行場から取ったと思われること、

等記されています。
 
札幌から飛来機があり飛行場開きを行ったのですが、

貨物輸送での採算性、戦時下の燃料不安からたった1回の着陸、離陸で飛行場の使用は終わってしまいました。

飛行場はなくなってしまいましたが、「愛国」という地名が残りました。

この周辺には現在でも「愛国」という地名があり、愛国小学校等、「愛国」を付した諸施設があります。

無題3.png
撮影年月日1961/05/09(MHO611 C5 5879) 
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成)

当飛行場がいつまであったのかについてですが、

Wiki/愛国飛行場(釧路市)にはソース不明ながら、

戦後は民間飛行場となり、1961年の釧路空港開設に伴い廃止。とあります。

確かに国土地理院の航空写真を年代を追って見ていくと、1961年の写真では、

飛行場敷地がそのまま残っています。

但し、敷地を幾つかに区分けして使ってるように見え、飛行場っぽくないんですが。。。

当時ストリートビューがあれば良かったんですけどね~。


無題4.png
測量年 1958(昭33)(32-10-2-1 遠矢 ) 
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成)

昭和58年測量、昭和61年1月発行の地図。

昭和61年に廃港したとすれば、その3年前に測量したものです。

飛行場の地割はしっかり描かれていますが、「飛行場」という表記は無し。

地図の発行から間もなく廃止になることが決まっていたので、記載しなかった。とも考えられるのですが。

どうなんでしょう。



      釧路市・愛国釧路飛行場跡地      

愛国釧路飛行場 データ
所 轄:釧路市役所
空港種別:陸上飛行場
所在地:北海道釧路市文苑2-41
座 標:N43°01′34″E144°23′21″
標 高:4m
面 積:50ha
着陸帯:700m×600mのL字形
離着陸方向:北北東-南南西
(座標はグーグルアースから)

沿 革
1938年 市長が軍に飛行場建設を働きかけ。同年調査、建設許可
     11月17日 資金がないため中止通達
     その後釧路市長は道に働きかけ、地元からの寄付により飛行場完成
1940年 8月 この頃整地中
     採算性、燃料問題から閉鎖

関連サイト:
鳥取地域の歴史について 
北海道旅行・3 
帯広第二(市設帯広、音更)飛行場跡地 

この記事の資料:
防衛研究所収蔵資料:「航空路資料 第11 北海道地方飛行場及不時着陸場 昭和16.3 水路部」

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(コストをLCCと比較してみる話)     
JALのこと・2 安全確保
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JALのこと・3 日本の空にLCC
(LCCの運賃にビックリの話)    
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(ヒコーキ動画の話)       
北方領土の飛行場
(上から丸見えの話)       
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沈まぬ太陽
(JALに頑張って欲しい話)      
それがマニア・2
(自己診断の話)    
ヒコーキ版・今年の重大ニュース(アンケートのお願い)
(そのまんま今年の重大ニュースの話)    
ヒコーキ版・来年の重大ニュース(アンケートのお願い)
(来年に何に興味ある?? の話)     
787ファーストフライト スケジュール発表
(予定通り飛んでおくれ~ という話)   
787ファーストフライト
(やっと飛んだ話)    
B787・5 初飛行までの経緯
(初飛行までを時系列に並べた話)     
ヒコーキ版・今年の重大ニュース 結果発表
(投票ありがとうございました という話)    

2010年
ヒコーキ版・今年気になるランキング(こちらもご協力ありがとうございました という話)   
佐賀空港のYS-11再び!! (またワイエスが見られるようになる。という話)    
羽田・1
(羽田空港を見学して来た話)       
羽田・2(続きの話)      
787は今年中にデリバリーできるのか?
(についてアンケートお願いの話)       
どの路線にデビューする? 787
(についてアンケートお願いの話)       
航空自由化と離島路線
(小難しい話)
鴨池飛行場(鹿児島のこういちさんからいただいた当時の貴重な情報とお写真の話)
モヒカンジェット(やっとモヒカンをゲットできた話)
ツェッペリンNT号 事業停止(飛行船の話)  
ヒコーキ二題(ヒコーキの話ふたつ)
717の話(そのまんま717の話)
787デリバリー またまた遅延(また遅れてしまった話)
LCCの話(そのまんまLCCの話)
成田空港の運用時間は何時間?(成田の運用時間は短い。という話)
羽田見学(国際線ターミナル見学の話)
ハブ空港・1 国内線ここまでの話(国内線のここまで話)
ハブ空港・2 「ハブ空港」=「大空港」?(ハブ空港の話)
「ハブ空港」・3 日本と「ハブ空港」(ハブでいろいろ妄想する話)

2011年
787デリバリー 新スケジュール発表
(2011年第3四半期(7~9月)だそうですよという話
ハブとメーカー
(787と380の話)
「オペレーション・スターシップ」(エイプリル・フールネタ)
Q:どの位燃やされる?(久々の三択クイズ)
6周年(どうもありがとうございます)
A:どの位燃やされる?(三択クイズの続き)
B787、日本初飛来決定!(そのまんまの話)
二宮忠八とライト兄弟・1(思いつくままにいろいろ書いた話)
二宮忠八とライト兄弟・2(上に同じ)
ビードル号記念飛行(帰ってきたビードル号の話)    
787とウインドウォッシャー
(ついた話)
B787・6 デリバリー開始までの経緯(シリーズ完結の話)
787就航
(おろ・おろしさんおめでとうございます。という話)
日本とダグラス旅客機(ダグラス大好き~という話)

2012年
ヒコーキの前後バランスの話
(ウエバラの話)
エンジン位置の話(意外といろいろ差が出る。という話)
HondaJet・1 年表(実は先の二つの記事は前フリだった話)
HondaJet・2 MH02(元祖HondaJetの話)
飛行場の場所を教えてくださいm(_ _)m(他力本願な話)
日本のジェットエンジン開発(エンジン開発の皆さん、頑張ってください!という話)
HondaJet・3 エンジン開発(実は前記事は前フリだった話)
翼の取り付け位置の話(いろんな事情の話)
HondaJet・4 OTWEM(「主翼上面エンジン配置」の話)
HondaJet・5 翼型(「自然層流翼型」の話)
沖縄の飛行場の変遷(沖縄にはたくさん飛行場があった話)
787の近況(大急ぎで作らないといけない話)
米国にエアバスの工場(受注競争に与える影響を心配する話)
秘匿飛行場
(本当にここだったのかしらん。という話)
HondaJet・6 機体の特徴など(シリーズ完結。という話)
787デリバリー1周年(次の1年で何機デリバリーできるかという話)
岩国錦帯橋空港(べっ、別に偶然開港前にたまたま前を通りかかっただけなんだからねっ! という話)

2013年
787運行停止
(今のうちに膿を出し切って欲しい話)
787運行停止・その2(トラブルまとめの話)
787運行停止・その3(バッテリーの話)
787運行停止・その4(大人の事情の話)
A350XWB の近況(後発の利点を最大限活かしてる話)
枕崎空港廃止(寂しい話)
神風号亜欧連絡飛行・1(出発までの話)
神風号亜欧連絡飛行・2(その後の話)
787運行再開(やっと再開した話)
"重い"787(実は重かった。という話)
飛行の中の非日常(ヒコーキが怖くなる話)
八丈島の飛行場・補足(米軍もよくやるよ。。。という話)
787デリバリー2周年(OILMANさんおめどうございます。という話)
「君子は未然に防ぎ、嫌疑の間に處らず。瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず」(防空識別圏の話)

2014年
福島空港とウルトラマン(福島空港を応援する話)
とり日記(ムック本に載った話)
広島ヘリポートのレターコード(ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。という話)
ANAの787(データ拾うのにすんごい苦労した割に地味な話)
桶川飛行場の「弾薬庫」のこと(奉安殿?? という話)
内閣中央航空研究所のこと(どんな研究所?? という話)
福岡第一飛行場
(離陸待機の話)
787デリバリー 3周年(いろいろ妄想が広がった話)
MRJ・1(祝・MRJロールアウト という話)
MRJ・2(続きの話)

2015年
ヒコーキネタ(ヒコーキネタいろいろの話)
HondaJet ワールドツアー@岡南飛行場
(おろ・おろしさん ありがとうございます!! という話)
伊良部大橋開通(やっと開通したけれど…という話)
オバーの歌(不思議な歌の話)
御宿と銚子のVOR廃止(コース変更の話)  
祝! MRJ 初飛行(この先も頑張って欲しい話)   
根岸氏と水産試験場のこと(疑惑の話)   
Honda Jet デリバリー開始(\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/)   
続・根岸氏と水産試験場のこと(やっぱりそうだったっぽい話)  

2016年 
ANA、A380発注正式発表(ANAは別にA380の運航がしたい訳じゃないような気がする話)
セントレア二題(順調にすすむのかしらん。という話)  
磯子埋立地 1,500mのナゾ(いろいろ妄想した話)   
ボーイングのデリバリー数(もうすぐ500!という話)  

2017年
国交省、完全自動化旅客機導入の方針(エイプリルフールネタ)
ボーイング、自動操縦ジェット旅客機の関連技術試験実施へ(うわの空)
朝鮮強化月間開催(しますよ!という話)
韓国、北朝鮮の飛行場(済州島に行きたくなった話)
朝鮮強化月間終了(終わりましたよ!という話)
那覇空港第二滑走路(何のために造ったのか分からなくなる話)  
松本空港展望デッキ(見学には辛い時代の話)  
せとうちホールディングス(ノウハウを国内に持ち込むつもりなのかしらん。という話)  
那覇空港・1(アップまで2カ月かかったけど、結局どうすればいいか分からない話の始まり)  
那覇空港・2(更によく分からなくなる話)
那覇空港・3(ますますよく分からなくなる話)
那覇空港・4(分からないまま終わる話)  
横田空域と羽田新ルート(これもよく分からない話)  
伊丹空港の展望デッキも。。。(見学には辛い時代の話2)

2018年
羽田空港ボーディングステーション供用開始(一度利用して見たい話)
ホンダジェット(世界地図色塗りがすげー大変だった話)
ボーイングとエンブラエル提携へ(この記事が実現するには幾つも奇跡が必要な話)
MRJデリバリー前倒しなるか(ちょっといい話)  
軽井沢の飛行場について(意外といっぱいあった話) 
SkyVectorのチャートのこと(同上の話) 
中国、2035年までに空港数をほぼ倍増へ(世界の本〇みたいな話) 

2019年
A380生産終了・1(胴体の話) 
A380生産終了・2(主翼の話) 
A380生産終了・3(エンジンの話) 
A380生産終了・4(航空会社の話) 
A380生産終了・5(メーカーの話・上) 
A380生産終了・6(メーカーの話・下) 
大西洋今昔(ちゃんと大圏コースの話) 


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稚内不時着陸場跡地 [├国内の空港、飛行場]

   (未訪問)  



無題6.png
撮影年月日1947/09/02(USA M456 17) 
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成)

北海道稚内市 稚内空港の西約7.3km、稚内水上機基地跡地の西北西約4.5kmの宗谷湾沿いに、

昭和15年当時、稚内町役場所管の「稚内不時着陸場」がありました。

防衛研究所収蔵資料:「航空路資料 第11 北海道地方飛行場及不時着陸場 昭和16年(1941年)3月刊行 水路部」

の中に、当不時着陸場についての資料がありました。

以下引用させて頂きます。


稚内不時着陸場(昭和15年8月調)
宗谷郡稚内町大字稚内村字ウエンナイ(稚内駅の東方約2.5粁)

所管 稚内町役場
着陸場の状況
高さ 平均水面上約4米。
広さ及現状 此の付近一帯は沙地にして海岸波打際内方と道路との中間地
区は細長き平坦地を成し着陸に利用に得即ち着陸可能区域は概ね図示の如く長
さ約670米、幅約200米の東西方向に細長き地区なり(付図参照)。
地表の土質 沙地。
地面の状況 着陸可能区域は海岸波打際より南方約200米道路に至る地域
にして全面に雑草密生す・着陸区域の中央は東西方向より稍隆起しあるも地表
は概ね平坦且堅硬地にして海岸に向い緩除なる下り傾斜あり・沙地なるを以て
排水概ね良好なり・夏季炎天続きの際及降雨の際にも地面に影響なし。
場内の障碍物 着陸区域内にはなし。
適当なる着陸方向 海岸線に平行。
離着陸上注意すべき点 南側道路に沿い東西方向に走る電線あり又区域の
中央稍隆起しあり且夏季雑草繁茂す離着陸の際注意を要す。

周囲の状況
海岸 本場は宗谷潟岸に在り付近海岸は一帯に沙浜にして潮汐干満の差少
く岸線の屈曲極めて乏し。
丘陵 本場の東西海岸付近は坦々たる草原をなし樹木絶無にして内方は数
里に亘る「サラキトマナイ」原野開け、之の原野は丘陵地にして海岸迄迫りあ
り尚西方遥かに離島利尻山(1719)を望む。
河川 場の東側に「ウエンナイ」川の河口開き西方宗谷本線に沿い「エム
コマナイ」川あり、「ウエンナイ」村落は其の河口に在り・場の南西方に「ウ
エンナイ」橋、南東方に海門橋の木橋あり・場の南東方約4粁に「ツユブント
ー」河(大沼)あり。
市街 本着陸場の北西方約3粁に稚内町あり、宗谷本線の終点且本島と樺
太との唯一の連絡港にして現在稚内大泊、稚内本斗間の海上便あり。
電線 場の南側稚内町至聲問間の道路に沿い其の両側に東西に架する高さ
約7米の電線あり。
着目標 利尻山、稚内港、宗谷本線、稚内旭川線道路(国道)「シュブン
トー」沼。

地方の状況
軍隊 稚内海軍通信隊(稚内町)西方約2粁。
警察署 稚内警察署(稚内本通)北西方約4粁。
支廳及役場 宗谷支庁(稚内町本通)北西方約4粁・稚内町役場(稚内町)
北西方約4粁。
醫療 衛生状態概して良好ナルモ設備充分ならずと言う・稚内町に社会事
業協会病院、中沢病院其の他医院3あり。
宿舎 稚内町に旅館約14(収容員数計約300)、「ホテル」1(収容員数計約
50)あり。
清水 付近民家に水質良好水量豊富なる井水あり・稚内町に於いては其の北
方「トベンナト」河の河水を採り水道を設備し町内に給水す。
応急修理 稚内町に辻鉄工場あり応急修理程度ならば可能。
航空需品 稚内町にては「ガソリン」等の補給困難なり。

交通運輸及通信
鐡道 南稚内駅(北見線)西方約3粁・北見線は頓別方面を経て音威子府
に至り、宗谷線は兜沼、幌延方面を経て音威子府より旭川に至る。
乗合自動車 宗谷行乗合自動車の便あり、最寄り停車場は稚内町(随所停車)
・冬期間は声問と宗谷岬との間の交通は馬橇に依る。
道路 場の南側に稚内、旭川線と稱する稚内町より声問に至る坦々たる国
道あり、場の西端付近より之と直行し南方に至る稚内札幌線と称する道路あり
共に自動車類の運航可能なり。
港湾 本場の北西方約3粁に稚内港あり、宗谷湾の西浜に位し港内広闊大
形船舶の碇泊に差支なきも現在錨地の大部分は北風に露開し且底質軟岩にして
錨掻良好ならざるを以て冬期北風強吹する時又は荒天時には安全ならず・当港
付近は暗岩淺堆等の障碍なきも水深一様ならず・本港は北海道、樺太間連絡上
重要なる地点にして鐡道省経営の稚泊連絡、北日本汽船会社の稚斗連絡に據る
外更に本港を中心とする利尻禮文、小樽其の他近海各航路間に道庁命令航路あ
り海上交通は万全を期され港湾設備の充實と相俟て躍進の一途に在り・本港に
滑走台、物揚装置、燃料庫を設置せば水上機基地として最適なり、現在の施設
に於いても北海道北部、厚岸小樽以北唯一の基地たり得る地にして航空基地とし
て重要なるものと認む・昭和4年8月海軍飛行艇此地に安全に着水せりと言う。
電信及電話 稚内海軍通信隊(稚内町)西方約2粁・稚内町寳来通に鐡道
省所管の稚内無線電信所あり、鉄道省の連絡船に對する公私の電報を取扱う外
樺太各地に至る一般電報を取扱う・稚内郵便局(稚内町本通)北西方約4粁、
電信及電話を取扱う。

気象
測候所 稚内測候所(稚内町)北西方約4粁・高層気象の観測をなさず。
気温及地方風 本場は本島北端に在るも沿岸一帯を長るる暖流の為気温緩
和せられ比較的高温にして1年平均温度14度なり・恒風は10月至翌年4月迄
は西風にして5-9月間は東風なり・昭和7年至同11年5箇年間統計次の如
し。(以下各月ごとの最多風向、平均風速データ。省略)
天候 降雪期は12月上旬より翌年3月下旬迄にして積雪量約1米内外約
4箇月の積雪を通例とす・濃霧期間は4月中旬より8月上旬迄とす、霧は概し
て淡霧多く濃霧は6月上旬より7月下旬迄とす・結氷は1月より3月至にる間


「医療設備十分ならず」「冬季の交通は馬そり」「町内でガソリン等補給困難」「樺太航路」

これは飽くまで不時着陸場についての資料なんですが、

昭和15年当時の稚内がどんなだったか、垣間見せてくれますね。

昭和15年当時の稚内は、北海道と樺太を結ぶ唯一の航路がある重要な港だったのですね。

冬期は時化て入出港も大変でしょうし、

「町内に旅館14、ホテル1」というのは、このためでしょうか。


港湾の項目には、稚内港について、

「本港に滑走台、物揚装置、燃料庫を設置せば水上機基地として最適なり、現在の施設に於いても北海道北部、厚岸小樽以北唯一の基地たり得る地にして航空基地として重要なるものと認む」

とあります。

稚内港に水上機基地を、という提言ですね。

この冊子を刊行した水路部は日本海軍の一機関な訳ですが、

この提言が何某かの影響を及ぼしたかどうか不明ながら、

この資料が刊行されたのが1941年で、それから2年後の1943年、稚内港からは7.5km程離れているんですが、

大沼に海軍の「稚内水上機基地」が完成します。



     北海道・稚内不時着陸場跡地         


稚内不時着陸場 データ
設置管理者:稚内町役場
空港種別:不時着陸場
所在地:北海道宗谷郡稚内町大字稚内村字ウエンナイ(現・稚内市潮見5丁目)
座 標:N45°23′44″E141°42′35″
標 高:4m
滑走路:670mx200m
方 位:09/27
(座標はグーグルアースから)

沿革
1929年 8月、海軍飛行艇が稚内港に着水
1940年 この頃、当不時着陸場があった
1943年 大沼に稚内水上機基地完成 

この記事の資料:
防衛研究所収蔵資料:航空路資料 第11 北海道地方飛行場及不時着陸場 昭和16年(1941年)3月刊行 水路部

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