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姫路海軍航空隊(鶉野飛行場)跡地 [├国内の空港、飛行場]

  2012年10月 訪問 

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兵庫県‎加西市‎鶉野町にある陸上自衛隊鶉野訓練所。

戦時中は姫路海軍航空隊(鶉野飛行場)でした。

前記事の三木(相野)飛行場の北北西約14kmにあり、ご覧の通りで舗装滑走路が残っています。

防衛研究所収蔵資料「海軍航空基地現状表 内地之部 大阪警備府航空基地現状表」
の中で、当飛行場について一部次のように記載がありました。

基地名:姫路 建設ノ年:1943 飛行場 長x幅 米:1200x60コンクリート 1200x200ノモノ2本  主要機隊数:小型 主任務:教育、作戦 隧道竝ニ地下施設:居住(1.500平米)指揮所、電信所、燃料庫、爆弾庫、工業場、倉庫、運搬路8.000米 掩体:中型無蓋10 小型無蓋45

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滑走路の西側中央付近に碑が整備されています。

碑文、説明版の内容を一部抜粋してみます。

鶉野飛行場の施設概要
姫路海軍航空隊基地施設概要
・基地名 姫路海軍航空隊基地(陸上)
・所在地 兵庫県河西郡九会村・下里村
・創設年月 昭和17年12月
・航空隊開設 昭和18年10月1日
・完成年月 昭和19年5月
・面積 2,531,040㎡
 飛行場滑走路1,200Mx60M1本
 (転圧1,500Mx60M2本土質粘土)
 運搬路(誘導路)8,000Mx30M 終戦時15,000M
 掩体壕 中型10箇所 小型45箇所
・主要機種 中・小型練習機(97式艦攻、93式中練)
・格納庫 (木造)9,157㎡ 40Mx120M2棟(4x4)
・兵舎 約8,919㎡
・収容施設 庁舎2,092㎡ 移住施設6,200㎡(1,200人)
 工場場 1,580㎡ 倉庫1,454㎡
・防空施設 対空機銃25mm連装4ヶ所・単装2ヶ所
・電波探信儀 桑原田


川西航空機株式会社姫路製作所
・工場名 鶉野組立工場
・所在地 河西郡九会村・下里村
・工場創設 昭和17年7月1日日本毛織より川西航空機へ。
・昭和19年8月 鶉野組立工場落成式
・昭和20年3月 工場秘匿名称「神武秋津工場」を使用。
   々    第1001海軍航空隊がテスト及び輸送業務をする。
   々    第11航空工廠姫路分遣隊が来。
・昭和20年6月 姫路製作所空襲被曝
・昭和20年7月 第二軍需工廠設立。海軍管轄となる。
・工場施設面積 約93,500㎡
・生産機種 局地戦闘機「紫電」「紫電改」
      19年12月より「紫電」生産開始 446機製造
      20年3月より「紫電改」生産開始 44機製造
      設計は姫路出身の菊原静男技師であった。
・工場施設 第一組立工場 1,650㎡ 第二組立工場185㎡ 2ヶ所
      第一格納庫 875㎡ 第三格納庫 940㎡
      飛行指揮所・兵器庫・プロペラ調整室・点火栓室・管制器室
・戦後川西航空機(株)は新明和工業(株)として、飛行艇を製造している。

終戦時に現存していた航空機
「紫電」57機・「紫電改」13機(他に未完6機)「零式練戦」3機 【白菊・彗星・銀河・90式陸練・陸軍高連各1機】
「93式中練」2機



神風特別攻撃隊
 神風特別攻撃隊白鷺隊は、姫路海軍航空隊員より編成され、この地鶉野飛行場において日夜訓練を重ねた。隊長 佐藤 清 大尉以下六十三名は、その保有する艦上攻撃機二十一機をもって、昭和二十年四月六日より五回にわたり鹿児島県串良基地より出撃し、沖縄周辺の米軍艦艇にたいし飛行機もろとも体当たり攻撃をくわえ、壮烈な戦死を遂げた。戦いは遂に国土防衛線に入り、膨大なる物量を誇る米軍の強襲に、わが沖縄守備隊の戦力では如何ともしがたく、菊水作戦が発動され航空機による特別攻撃隊の投入となり、海空による総攻撃が開始されたのである。姫路空白鷺隊も決然としてこれに加わった。隊員たちは出撃にさいし、遥か故郷の愛する家族らに別れを告げ、再び還ることなき特攻に若き命を捧げ、武人の務めを全うしたのである。今ここ鶉野の地に碑石を建立し、この史実を永世に伝え、謹んで殉国された勇士の御霊をお慰めし、併せてそのご加護により永遠の平和の実現を切に願うものである。

飛行場建設に協力した地元の人々
 播磨平野中部丘陵の河西郡九会村中野、鶉野、宮木と下里村野条一帯は、鶉鳴く農村地帯であった。昭和十六年十二月八日、西太平洋で始まった米、英国との戦いにおいて、航空機によるハワイ真珠湾攻撃が成功し、海軍は、航空機搭乗員の訓練を目的として全国各地に練習航空隊を設置することになり、この地も候補に上がった。一般民家、企業が立退きの対象となり、昭和十八年一月上旬より土地買収及び家屋移転等の承諾調印が行われた。工事が始まり、地元河西郡はもとより近隣町村より勤労奉仕団、国民学校、中学、女学校の学徒動員の生徒、また朝鮮の人達の献身的労働により、僅か一年余りの作業で飛行場場は完成した。そして、全国より配属されて来た若き操縦練習生たちは、日夜飛行訓練に精を出した。訓練合間の休日には地元の人々は彼らを暖かくお世話した。昭和二十年に入ると、この鶉野にも米艦載機が飛来し、飛行場は言うに及ばず周辺の民家にも攻撃を加え、一般住民にもかなりの被害が出た。戦争は我が方に利あらず、八月十五日に戦争は終わった。そして元の静かな鶉野に戻った。この平和をいつまでも続けるため、ここに飛行場設置に協力した多くの人々の労苦を後世に残し、碑を建立するものである。

姫路海軍航空隊、川西航空機の沿革
 太平洋戦争は航空戦によって開始された。海軍は航空機搭乗員を養成するため鶉野に実用機練習航空隊を設置した。この飛行場は、海軍航空隊及び川西航空機の戦闘機組立工場と併用の全国でも類い稀な飛行場であった。昭和十八年十月一日、姫路海軍航空隊は初代司令露木専治大佐のもとに開設され、艦上攻撃機の練習生が全国より集まり、日夜訓練に励んだ。この操縦訓練生を支えるため、航空機整備、兵科、運用、主計、航海、機関、通信、工作、兵器、砲術、医務の各科の兵隊が在隊した。一方、河西航空機では日夜過酷な条件の下、社員、徴用工、挺身隊、学徒動員の献身的努力によって、終戦までに局地戦闘機「紫電」・「紫電改」五一○機が鶉野工場で組み立てられた。そして、アメリカ軍の日本本土上陸を予測し、五十嵐周正中佐率いる筑波海軍航空隊の「紫電」がこれを迎え撃つため進駐して来た。また飛行場拡張には設営隊が担当し、甲、乙種予科練習生が北条・九会国民学校に分駐して労働に従事した。その中の西宮空第十四期甲種飛行予科練生は、特殊潜航艇「海龍」特攻の血書志願を書き山口県柳井潜水学校へ向かった。昭和二十年八月十五日、戦争が終わり、関係した兵隊達は、それぞれの思い出を秘め、故郷に帰って行った。その後米軍が進駐し武装解除が行われ開設以来一年十箇月の短い歴史を閉じた。今大戦において、尊い人々の犠牲があって今の平和な日本があることを忘れてはならない。 再び戦争による惨禍を無くするため、ここに平和の祈念碑を建立し、後世に伝え残すものである。

鶉野飛行場に関係した機関及び部隊
 神風特別攻撃隊 白鷺隊戦死者として63名、飛行訓練中及び試験飛行中に殉職した搭乗員として7名が刻まれている

 

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大きなローラー。

特に説明はありませんでしたが滑走路建設の際、実際に使用したものでしょうか。

 

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鶉野飛行場跡地:map  


      兵庫県・姫路海軍航空隊(鶉野飛行場)跡地     
碑文にある通り、戦闘機組立工場と併用している点が当飛行場の大きな特徴となっています

姫路海軍航空隊(鶉野飛行場) データ
設置管理者:旧海軍
空港種別:陸上飛行場
所在地:兵庫県‎加西市‎鶉野町‎
座 標:N34°53′20″E134°51′53″
面 積:253.104ha
滑走路:1,200m×60m1本  転圧滑走路:1,200mx60m2本
 (「日本海軍航空史」・終戦時 では、1,300mx50m、1,200mx20m と記載あり)
方 位:04/22
(座標、方位はグーグルアースから)

沿革
1943年01月 この月上旬より土地買収始まる
1944年05月 完成
      08月 鶉野組立工場落成式
1945年04月 この月から五回に渡り特攻隊出撃
      06月 姫路製作所空襲被曝
      07月 第二軍需工廠設立。海軍管轄となる

関連サイト:
国土地理院 1947年4月当時の写真(USA M215 4) (■→「同意する」→戻る→再度■をクリック)    
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コメント 1

ヒデボン

 全国にあった旧日本軍の飛行場は、農地や住宅地・工業団地に転用されているものが多い中で、この鶉野飛行場は当時の様子を残し、他に転用されていない数少ない施設です。
 戦後、基地の一部が神戸大学農学部の農場になっていますが、畜舎前あたりが当時のエプロンだったらしく当時のコンクリート舗装が残っていますし、堆肥置き場は良く見るとコンクリート製の飛行機格納庫がそのまま使われているようです。また、農場の真ん中の小高い丘?は円形コンクリート構造物(たぶん高射砲台座)でした。その他にも、周辺には掩体壕や機銃座もあります。探検すると面白いですよ。
by ヒデボン (2014-01-28 09:55) 

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